「ラッキーセブン」というのは野球の話でもあるが、この7(なな)という数字は、アメリカだけでなく、
日本でも好まれている。たとえば、映画でいうと「七人の侍」という名作があった。
これは、それぞれ一癖も二癖もある侍が、一致団結して農民と共に悪党達と戦うというもの。
その侍を演じた俳優達を、キャラクターとともに全て覚えている映画ファンも多い。
また、当時人気絶頂だった「光EGNGI」というアイドルグループも、メンバーは7人である。
これまた、ファンの人なら、全員の名前を暗記していてたちどころに言えるはずである。
では、映画の登場人物も、グループ歌手も、なぜ7なのか。
その一つの理由として、
「人間が一度に記憶できるものの平均が7だから」
という説がある。この、ある意味ではみもふたもない説を唱えたのは、
アメリカの心理学者、ミラーである。彼は、「マジカルナンバー7プラスマイナス2」
という論文の中で、豆粒を箱の中に投げ入れたとき、人間が直感的にその数を当てられるのは
7プラスマイナス2個であるとしたのである。
7と言う数字は、「七福神」や「七つ道具」など、ワンセットで用いるものに使われることが多い。
もちろん、「御三家」や「四天王」など7とは関係ない言葉もあるが、それ以上の
数字と言うことになると、やはり7が一番心理的にしっくりくるのではあるまいか。
このことも7が人間の短期記憶の容量だとする説の一つの証拠と言えるかもしれない。
これが本当だとすれば、心配がないわけではない。1991年から、東京の
電話番号は8桁になっている。中にはこれで電話番号をド忘れしている人が現れないとも限らない。
恋愛でもビジネスでも、人が簡単に心理的にも脳の記憶容量的にも受け入れられやすい数字は
7なのである。