高学歴で資格を沢山保有していて、サークル活動やアルバイトもしているような 超ハイスペック人間なのに、中々内定が出ない無い内定状態。逆に、低学歴で無資格、 アルバイトもサークルもしていない俗にいうノンバイサーの人物が企業から内定を もらい就職先が決まっている。これらの差ができる原因や理由には、面接の心理学を 自然と勘付いているかそうでないかにかかっている。あるいは知識として 面接で使える重要な心理を知っているかどうかの差異だろう。 学生や面接者の多くが誤解していることに、採用面接をしている人は「面接のプロである」と 認識していることがあげられる。しかし、実際は人事で新入社員が採用担当になったり、 上司や社長の気まぐれで人選が決まったりする。つまり、面接官のほとんどは素人で、 その辺の道端にいる人間と、さして変わりはないということだ。逆に言えば自分自身を PRするコツや、自己紹介、志望動機、プレゼンが上手であれば、 簡単に面接試験を通過できるのだ。確かに一部の大企業では、細かなキャリアや経歴が 重要視されるが、大部分の中小企業は、そこまで学歴などは重視していない。 それよりも、人間的に職場に合うか、面接官とマッチするかのポイントが大切な要素なのだ。 つまり、面接は、人に好かれる試験と言える。 そう考えれば、面接も普段の恋愛と対して差はない。 「異性にモテる男女は仕事もできる」と言われるのは人から好かれる能力や才能があるからである。 モテない人も過酷な採用試験を通過することで自信や経済的余裕がつき、モテるようになりやすい。 面接官の質問の意図を理解して、適切な答えを出す。この基本が面接で好印象を生む。 これは対人心理学を理解して、技術を利用するテクニックがあれば、誰でもできることだ。 しかし、多くの人はこれらの簡単な事実に気づいていない。この機会に是非面接で アドバンテージが取れる面接テクニックが使える人間になっておこう。
近年は人材不足とよく言われている。少子化で需要と供給ノバランスが崩れていることで不況になり、
企業の経営状況が悪化し、新卒や若手の新入社員を
時間をかけて育てる余裕が無くなってきた。だから、求める人材像に「即戦力」「リーダーシップを発揮できる」という
文言が強調されることが多くなった。また、最近は自分から動こうとしない指示待ち人間が
増加傾向にあるという懸念から、内気な人や消極的に見える人は採用されずらい。IT分野というと、
コミュニケーション能力が必要ないと思われがちだが、逆にパソコンなどを使う細かい作業だからこそ、
人間同士のコミュニケーションが重要として、一般企業の営業や事務職などよりも話し上手や聞き上手であることが
要求されている。いずれにしても、積極性や協調性、人を引っ張っていくリーダー的資質などの
人間力を持っている事が要求される厳しい時代である。自分が引っ込み思案だと思っているのなら、まずその思考から
変えて行かなければ社会人としては生活していくのは難しいかもしれない。
しかし、人は根が引っ込み思案で暗いネクラな性格でも、仕事上では自己暗示をかけて「演技」をすることができる。
面接もそれと似たようなもので、たった数十分優れた「演技」をすれば簡単に面接官を騙せてしまう。
面接官だけでなく、自分さえも自己暗示で騙し、そのうちその「演技」していたものが、自分自身へと変化していくのである。
これが人間力の成長する過程である。嘘だったものがいずれ本当になるように変わるということだ。
・面接の基本的な心得
まず、採用面接を受ける上で心理学用語を覚えてもらいたい。それは「初頭効果」「メラビアンの法則」の二つである。
初頭効果とは、初対面や第一印象のイメージがそのまま長期間持続するというもの。
ドアをノックした後、「失礼します」という声が異常に小さかったり、声が震えていたら、それだけで「弱々しい人、病弱、暗い、冷たい」という印象が
決定され心理に深く刻み込まれる。逆に開口一番の第一声が大きかったら「積極的で活発、元気で明るい、健康的、温かい」という印象を
植え付けることができる。また、ドアを開けてから中に入るまでの姿勢や表情、姿勢が猫背で背中が丸まっていたら悪印象になる。
逆に背筋がまっすぐでモデルのように歩ければ、非常に好評価を得られる。顔の表情も
笑いすぎず、強張りすぎず、社会人としての適度な緊張感と目力を持った表情ができるのが望ましい。歯が出るような
笑顔は社会人としては相手に失礼だし、オドオドして緊張し俯き加減では仕事にならない。
そして「メラビアンの法則」だが、これは人が第一印象を決める際に影響するポイントを数値化した法則である。
人は、6割を見た目(容姿、表情、服装、姿勢、目、髪型)、3割を声のトーンや大きさ(早口か、訥々とゆっくりしゃべるか、方言)、
1割を会話の中身、の順に評価の対象とするというものである。つまり、第一印象の形成は、
ほとんどがルックスと発声によってなされる。面接の会話それ自体よりも、話し方や表情の方が重要視されているのだ。
急に嫌味を言って来たりする圧迫面接が問題視されることもあるが、これも話の中身よりも、どのような態度で対応をするか、
対応力が試されている試験とされる。圧迫面接が起きても、会話の中身に囚われカッカすることなく冷静に状況を判断し、
対応できるように心がけたい。
面接官には沢山の評価基準があると思われる。しかし、無意識の心理のうちに決定づけられるこれらの
印象は、得点のつけ方や点数化の時に大きく影響するだろう。学校やコンサルタントの面接講座で、姿勢や挨拶が重要だとよく
教え込まれるのはこのためである。志望動機や学生時代打ち込んだことの話の内容よりも、しぐさや態度、動作や振る舞いを
よく調べ、矯正するのがよいのだ。手で体や顔、髪をせわしなく触る癖があったり、貧乏ゆすりをしてしまうなどは
大きく減点されるきっかけになるので注意が必要である。
・面接の中身対策
面接をするに当たって、予備知識として頭に入れておきたいことが沢山ある。
面接は、会社との結婚や恋愛、お見合いとも例えられるように、お互いのことを理解してよく知っていることが大切だ。
相手の企業の情報や経歴、沿革、今から行く会社で何をしたいか、希望する部署の仕事内容やその会社と似ているような
競合する会社の名前、その業界の抱える問題点や改善点。最低でもこれらの予備知識は頭の中に入れて面接に臨みたい。
人には相互作用という、されたことを相手にお返ししたいという心理がある。
例えば、自分の書いている日記やブログ、絵や漫画などの芸術作品や趣味のアニメや動画を
チェックしてくれている人が目の前に現れたらどう思うだろうか。余程生理的に嫌悪感がない限り
好意を抱くだろう。人は、自分の事を知ってくれている、興味を持ってくれる相手には、自分も
相手に興味や関心を持とうとする心理を持った生き物である。相手の事(企業、会社)が本当に好きなのなら、
これぐらいの下調べはしていて当然なのである。志望動機が「近かったから」「なんとなく選びました」
「これこれが好きなので」では片思いの状況で相手からすれば「ふーん」という関心が薄い態度に見えるだろう。
これでは採用したくない。抽象的なアピールではなく、「御社の〜という活動や製品に魅力を感じて興味を持ちました」など具体的な
仕事情報を挙げると効果が高く、印象に残るアピールの仕方になる。これは相手の事をよく知らないとできない
ことだからだ。「あなたの外見が好きです」よりも「あなたが隠れてしている努力を見て好きになりました」の方が
告白やアプローチの成功率は高い。面接では誰もが言うような軽薄なお世辞を述べても効果が薄いのだ。
よくある新卒や中途採用のアピールの仕方に、「サークル活動で凄いことをした」「アルバイトで重役を任された」
などがあるが、これらは面接官からすれば、何千回と聞かされてきた文句であり、何かしらの賞を受賞でもするか、
優勝準優勝ぐらいしていなければ、あまりインパクトは出ない。それよりも、その活動で何を感じ取り、
何を学んで、どのように人間として成長したのか、これらの内容を重視している。
会社が求めているのは、なんでもできる完璧人間ではなく、勤勉で成長意欲の高い若さのある人材なのだ。
これから仕事をするという相手に、「私は凄くできる人間です」なんて言われても嫌味にしか聞こえないだろう。
それよりも「まだ未熟ですが、成長性では負けません、頑張ります」という謙虚な姿勢を示してくれた方が
採用面接官としては気分が良いし、「仲のいい後輩として付き合っていけそうだ」とも感じる。
結局最終的には一緒に仕事をしたいかどうかが最も重要視されるので、人間的に嫌われてはおしまいである。
恋愛で男が女にアプローチする場合も下手に自慢話や自己PRを繰り返すよりも相手の話を質問して聞いて、理解してあげることが
心理的に重要なのとよく似ている。「自分は凄い、自分はできる」と若手に言われても重鎮はあまり響かないのだ。逆に
先輩社員に「何ができるんだ?」と反抗心を持たれる可能性もある。採用面接の基本は、知識や実力を持ち合わせ、
相手企業の求める人材像になりきって、謙虚な姿勢で臨むということである。
・グループ面接の心理学
グループ面接でも心理テクニックはフルに活用していける。
グループ面接は、駄目な人や欠点が見える人はふるい落とされる過酷なものである。
まず、自分が面接官になった気持ちになるとどのような人を不採用として失格させたくなるだろうか。
簡単にまとめれば、他人に対して敵対的や失礼に接する人、態度が横柄で一緒に仕事をしたくないような人、
将来問題を起こして上司や社長、会社の責任を引き起こしそうな危険人物。など端的に言えば協調性が無い人とは
同じ職場にいたくないと思うだろう。他の受験者の論に反論してばかりで押し潰してしまうような人、
自己中心的で、人の話を遮ったり、聞こうとしない人などは問題外である。会社では会議などが頻繁に行われる。
その場でも厳粛に社会人として議論を交わせる人を必要としている。
元気で明るく、真面目で謙虚、会社にとってコントロールしやすそうで優等生な印象を残すと良い。
グループ面接は良い人を抜き出すというよりも、悪い人を落とす試験だから、
「相手より上手にやろう」「勝たないと」と緊張して力むよりも、自然体でリラックスして臨むと大抵うまくいく。
そして、できることなら「他の人と自分は違います」というアピールができると、印象に残り、最終面接に行ける可能性が高まる。
グループ面接は、
多くの人材からふるい落としをかける試験だから、一人一人を細かく観察するというよりも、ある程度大雑把に
人物像を見ている。だらか、個人面接よりも答えの時間を短くする必要があることもある。
グループ面接でできるだけやりたくないことは沢山ある。それらを紹介していこう。
・前の人の意見と比較したり、まったく同じにしてしまう
これは、面接官の心理に衝撃を与えることができず、影が薄い人として忘れ去られ、スルーされる結果となる。
自分の意見が無く、前の人に賛同するだけもいけないが、ライバルを蹴落とそうとしたりする人もチームプレイや
共同作業ができないと心理的に思われ、落とされる。
・興味の無い話や質問の意図とずれた回答をしてしまう
面接官は、できる限り短時間で人を審査して結果を出したいと思っている。
だらだらとした身の上話や、声が小さくもじもじしている人、無言で考え込んだままの人、
急に独立したいだとか、将来自分の会社を持ちたいと宣言してしまう人などである。
面接官はそこまで細かい事を知ろうとしているわけではない。できるだけ、志望動機や質問内容には
わかりやすく短文で答えてほしいと思っている。だから良い答えを出そうと悩んでいたり、
親や家庭内の話を持ち出すのは、あまりよくない。
これはグループ面接ならなおさらで、社会人や会社人間は
無駄話に付き合っているようなヒマは基本的にはないものである。
また、いかにも本番用に覚えてきました、という教科書的なできすぎた文章もよくない。
面接本などには、例文などが載っていることがあるが、それを丸まるコピペしたような
志望動機を言われたりしたら、本気度が低いと判断されても仕方ない。面接官は何百という面接をしているのだから、
そのようなできすぎた回答には違和感を感じるものだ。
また、エントリーシートや志望書と食い違うようなことを言うのもいただけない。
恋愛でもそうだが、「私の事を軽く考えているのね」というようなしぐさや態度、またそのようなサインを送ってしまったら
嫌われてしまうのは当然である。
・あまりに自信満々すぎる
緊張から俯き加減でオドオドしたり、焦って挙動不審になることもいけないが、
逆に自信がありすぎて、態度が横柄になったりすることもいけない。若者に多い言葉に
「っすね」という言葉が口癖としてついている人がいるが、これも戴けない。
普段の素の性格が、いい加減や適当な人は注意して態度や振る舞いを直していきたい。
・最終面接の心理学
いよいよ一次選考二次選考、グループ面接、筆記試験などを通過し、最終選考へと入った。
この段階までくれば、余程の事が無い限り採用されると思われる。
その余程の事とは、「会社の役員や社長に嫌われる」ということである。
相手の社長や役員の性格やタイプをよく見極めてキャラを使い分けるとよいだろう。
何代も続いている名のある企業などは、大抵社長や役員も厳格で厳しい事が多い。
下手に目立った態度を取らず、尊敬と礼儀を大切にして応対すればうまくいく。
他には、気さくでフレンドリーな人や、オヤジギャグを飛ばすような社長もある程度はいる。
これらの人は雑談力が試されており、満足いくような趣味やゲーム、漫画などの昔話の雑談などが
できれば得点が高いだろう。
しかし、とはいっても、結局共通点として、年齢が目上の人生や会社の先輩であることは間違いない事実。
先輩に対して、タメ口を聞いたり、傲慢な態度はご法度である。体育会系の運動部やサークルを
やっていればわかるだろうが、体育会系は上下関係が非常に厳しい。
会社の社長も大抵は体育会系であるから、自分が目上であるかのような失礼な態度だけは取らないように
心がけたい。基本は心理学の初頭効果とメラビアンの法則、即ち第一印象を明るく爽やかで活発なイメージとできれば、
他の事などさして重要ではない。顔の表情、目の輝き、姿勢、しぐさや態度、声の大きさや速さなどを
注意して、相手に嫌われず、好意を持たれるようにひたむきに頑張れば、思いは伝わる。
面接の心理で最も重要なのは、第一印象である。短時間で人を判断しなければならないので、
そこしか判断基準がない。だから、自分を見てくれないと嘆かずに、その数十分の一瞬に全てを賭ける気持ちで臨むのである。