映画監督と女優のカップルが多い理由
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一種の職場結婚という見方もできなくはないが、それなら、
美人女優とカメラマン、あるいは照明係や大道具のカップルがあってもよさそうなもの。
しかし、それらの人との恋愛話はあまり聞かないところを見ると、
美人女優と映画監督の間はどこか臭いと思って間違いない。
世上、まことしやかに伝えられる話に、こんな話がある。
ある映画監督は、女優を口説く際、必ずとある安酒場のカウンターに腰掛けて、
「レモンという漢字を書けるかい？」とさり気なく聞くそうだ。
もちろん「檸檬」などという漢字が書ける日本人はそうそういるはずもなく「
わかんない」という女優の答えを確認すると、その映画監督はスラスラと
正解を書いてみせるという次第。これで、その女優の女心はいっぺんに
その映画監督に引き込まれて憧れてしまうというのだから、男心と女心の恋愛心理は
簡単にも思える。しかし、ここには美人女優を口説くためのモテるノウハウが、
一応そろっていることは確かだ。
まず安酒場という状況設定である。
普通美人女優は、こうした場所に足を踏み入れないから、それだけで彼女の心理状態は
普通ではなくなっている。さらに、いたずらにその女優を綺麗だとか、
素敵だとか褒め上げないと言う点も重要である。なんといっても、彼女たちは
常日頃周囲から「美人、可愛い」と言われていることに慣れきっている。
そういう当たり前のことを言っても、美人の女心を射止められるはずはない。
それよりも大人の余裕、包容力や知性を感じさせる方が良い。
そして、最後には「知性」という勉強不足で女優に無いものをさりげなく披露して
心理的な優劣関係の地位を確立する。そうすることで女性の強い男に従順に従いたい
という本能が刺激される。女性を自分のペースに引き込む技術とも言えるだろう。
実は、これにはいろいろバリエーションがあって、
女優を叱るというのも、その一つ。例えば、撮影現場では、
映画監督が、「そんな芝居じゃ全然駄目だ、男心を知らないんじゃねーか」
などと女優を罵倒することがよくあるという。
これは、監督が女優より、知的にも経験的にも優れていることを
言い聞かせ、深層心理に叩き込ませる効果がある。
日頃から男からチヤホヤされてばかりの美人女優が、
こういう厳格なしぐさや態度でのアプローチに弱いことは
容易に想像がつく。さらに、映画が完成したあかつきには、監督は「
よく頑張ったね」とその女優を褒めることを忘れない。
始めは厳しかったのに最後には優しい、このギャップ効果は男心も女心もグッと来る。
今風に言うツンデレと似たような心境になるだろう。
これでは、その女優が、まるでその監督のおかげで成長したと思っても不思議ではない。
かくして、映画監督と美人女優の恋愛が成立しカップルが誕生するというわけだ。
これらのモテる恋愛心理のノウハウは、女優だけではなく、会社や学校など
日常生活で身近にいる人にも通用する。日頃はとりつく島のない高嶺の花の
美人社員にも、有効に作用する可能性は高い。
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