ハロー効果とは心理学用語の一つである。別名「後光効果」「光背効果」とも呼ばれている。
ハロー効果はある人や物事を対象として評価する時に、目立つ特徴に
評価基準の比重が大きくなって、本来の評価を歪めてしまうことを言う。
これはプラスの効果もマイナスの効果もあり、その目立つ派手な特徴が
ポジティブなものか、またはネガティブなものかによって評価の天秤が
正か負かのどちらかに傾く。
例えば、ある男と女がいたとして、
男の身長が180cmあったとしたら、それだけで、
どこと無く野生的で力強いオスだというイメージが女性の中で生まれる。
性格が悪い、テストの点数が低い、学歴が低い、などの短所と言える
要素があったとしても、それを全て補ってしまうほどの高評価が与えられる。
高身長がモテやすいのは世の摂理なのだ。また、
女性側のおっぱいが大きいという身体的特徴があったとしたら、
母性的だとか、優しそう、魅力的だと感じる。
そのバストの魅力によって、ヒステリックな性格、金遣いが荒い、
男漁りが好き、などという短所を打ち消してしまう。
会社の採用面接では、特筆した特性があると、他の部分には
まったく目や思考が及ばなくなり、その一つのポイントだけで
採用か不採用か判断されてしまうことがある。
主たる例では、中退歴、転入歴など頭が
固い学歴主義の人にとっては、心理的なハロー効果として厳然たる欠点に映ってしまうことがある。
容姿や声、面接態度、内容がよくても、その経歴の事実が足を引っ張ってしまう。
しかし、思考が若く柔軟な人はまったく気にしない人事も数多くいる。
東大、慶応、早稲田、京大、などの学歴を重んじる人が
代々経営している会社は学歴を異常なまでに気にしている企業が多い。
これは体や顔などのルックス、外見の特徴だけではなく、
精神的な特徴や称号、学歴なども影響してくる。
まったく冴えない顔をしている不細工な男でも、
難関大学に合格したという話を聞くと、人間的にも優れていると
思い込んでしまうのが人の心理である。
このハロー効果、後光効果、光背効果はビジネス面でも応用されている。
テレビコマーシャルで商品の宣伝をする時に、人気の芸能人、アイドル、スポーツ選手を起用する。
これはまさに人の心理にハロー効果を起こさせるのを期待してPR活動をしている。
洋服を洗濯する時の柔軟剤であれば、爽やかな青年や中年などを出してアピールする。
チョコレートの宣伝広告では、お色気のあるお姉さんが、甘そうなチョコを
ほうばっているといった具合である。
爽やかでイケメン、容姿端麗な青年のイメージがその商品の印象となる。
大人のお姉さんの印象がチョコレートのイメージとなり、甘そうで魅力的に感じる。
これらは全てハロー効果である。
商品や会社、企業のイメージを良くするという狙いが込められているのである。
男女の興味を惹くモテる心理テクニックニにハロー効果を応用したものがある。
例として、ナンパ師が良く使う方法では、
「俺は、あの有名な芸能人と知り合いなんだぜ」とか「
あの地方議員さんと親戚なんだよ」などという話しである。
この種の話しは、例え嘘でも、その場しのぎのナンパ師にとっては美味しい話の種である。
簡単に相手の興味関心をこちらに向けることができるし、「
街中でイケメン俳優を見た」と言えば、そのイケメン俳優の「格好いい」「
凄い人」という印象が、自分自身の好印象にハロー効果、後光効果、光背効果となり移り変わる。
簡単に言えば、モテるためには、何かしらプラスとなるような長所やチャームポイント
、キャラ付けなどを用意しておくと使えるというわけだ。
女性ならば、嘘でもいいので「私料理がうまいわよ」と言えば家庭的
で暖かい彼女や妻になりそうなイメージ、「恋バナや下ネタが好き」と言えば
、その種のフェチを持った男が沢山集まるだろう。男であれば
「毎月20万バイトで稼いでるぜ」と言えば働き者のイメージ、「
筋トレしてる」と言えば、健康的で頑丈な男のイメージなど。
これらの長所は目立ってインパクトがあればあるほど効果的である。
一つでも派手なチャームポイントを打ち出しておけば、
後から愚痴が多い、表情が暗い、口下手、などの短所が出たとしても
特徴的な長所によって、本人のキチンとした評価が歪められ
、目立つ長所の方に好印象として引っ張られる。
逆に、超オデブ、お金を借りる癖がある、などのネガティブな
短所を持っているとそちらの方向へ心理的なハロー効果が作用し、
何をしても悪い印象へとなってしまうことがある。
自分の得意分野をあらかじめアピールすることで、
他の部分を打ち消すことができるのが、恋愛面でのハロー効果である。
先手必勝で相手に良い印象を植え付けることができれば男と女のモテる
恋愛心理で勝利したも同然だろう