好みの色から理想の自己像がわかる

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色を暖色系、寒色系と分けるように、色にはそれぞれ、 見る人に与えるイメージがある。単純化していえば、 白は清楚、純真、赤は情熱、激しさ、青は知的、冷静、緑は 健康や希望、黒は厳粛といったところだろう。 これをキーとして、さらにイメージは派生していく。 例えば、赤は活動的、積極的、精力的といった具合である。 人は特に洋服について「私はこうなりたい、こう見られたい」 という自己像を作り上げるのに色の持つイメージを利用している。 これが他人には、その人の色の好みとして映る。 だから、よく利用する色(好みの色)から、 その人が望んでいる人物像を探ることができる。 例えば、赤色系統の服を良く着る人が(赤が好きな人)は、自分を活動的、 積極的な人間としてアピールしているのである。また、自分自身でも そうありたいと望んでいると考えることができる。 「こうありたい」と心理的に思っているということは、 裏返して言えば、「自分にはその点が欠けている」 ということを意味している。 赤を好む人は、自分では「積極性に欠ける」と考えている可能性があるわけだ。 同じように嫌いな色についても、自己像と関連付けることができる。
色と性格の関連については色々なことが言われるが、 実は心理学者による専門的な研究は少ない。 個々の色ではないが、極彩色に対する好き嫌いに関しては 専門的な研究がある。極彩色を好む人は 誰とでも交際し、人柄も一見陽気で、外交的に見えるが、職場や 経済力に不満を抱いていて、性格的には服従的、攻撃的、主観的な傾向があり、 生活面や性格、体格などで劣等感が強い。
極彩色を嫌う人は人を選んで交際し、性格は温厚で 自己主張も強くないが、暮らし向きに満足しており、 生活面では自信を持ち、性格、体格に関する劣等感も少ない。 外見的な印象と内面はかなり違うことがわかる。派手な服装やをする 人が不安感が強いことと共通している。 なお、ビジネスの場面では、服装の色には一定の制約がある。 会社員はグレー系統、紺系のスーツを着るのが常識で、 いくら好きだからと言って赤形の服は着られない。 せいぜいワイシャツやネクタイに好みを反映させる程度だ。女性なら 男性よりはいくぶん色の選択肢は多いだろうが、それでも制限はある。 服の色による性格や心理判断は、ビジネス以外の場面でした方が正確だろう。 会話の中で、どんな色が好きか聞けば、本当の色の好みを知ることができる。 男と女の恋愛心理学はモテる会話のネタにもなるということだ。 「白衣高血圧症」という言葉をご存知だろうか。 病院で医師や看護婦の白衣に面と向かうと、 緊張して血圧が上がる現象である。 そのうえ看護師が若くて美人な女性なら血圧がさらに上昇するのか どうかわからないが。白衣が「緑衣」だったり、「ベージュ衣」で あったりすると、こんな心理現象は起こらないのではないか。 「白」という色の影響は否定できないだろう。






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