相手に近づくのは基本的には好意や期待を持っているからである。 男と女の恋愛でもカップルや恋人同士は常に近寄って密着している。 アメリカの研究で、学校の教室で子供達に質問をしたりする時に、 教師はどのような姿勢をとるかを調べた心理調査がある。 それによると、教師が期待している子供に対しては、 前屈みになるということがわかった、前かがみは、その相手に対して、 好意や期待感を伝える姿勢と解釈されている。 別の心理学実験では、聞き手は興味のある話を聞いているときは、 話し手に対して状態を前に傾けることが明らかにされている。 また話しての方は、自分が興味のある話をしている時には、 聞き手に対して上体を傾け、足を後ろに引くという。 人は、興味や関心の度合い、好意の有無、話す時の熱心さに応じて、 姿勢を変化させるのである。 前に座った人が、あなたに向かって前傾姿勢となれば、 相手はあなたに好意を持っている、話に興味を持っていて、 熱心に聞こうとしていると考えられる。 前傾姿勢が送ってくる意味は、相手との距離と言う観点からも説明できる。 私たちは、相手に好意を持つほど相手に近づくという習性を持っている。 前傾姿勢は、相手との距離を縮めることでもあるから、 好意や関心の高さが読み取れるのである。 好意や関心の度合いが低ければ、 当然前傾姿勢の度合いも小さくなる。 嫌いな相手なら、さらに距離を大きく取るために、 後ろに反り返る姿勢をとるだろう。 また、話に退屈すると、頭を下げる、頭を左右のどちらかに傾ける、 顔を背ける、後ろにもたれかかってダルそうに足を投げ出す、 という姿勢をとることも覚えておきたい。 立って腰をかがめる姿勢は「へつらい」を意味している。 視線の高さを低くすることによって、貴方を立てようとしているのだ。 子供を対象にした研究でも、勝負で負けた方がしゃがみこんだり、 地べたに座り込むことが多い。 これは視線を極端に低くした態度で、負け、譲歩のしぐさやサインである。