表情や目に深層心理が表れやすいのなら、 顔を隠すか、努力して顔の変化を抑制すればいい。 ところが、人の感情や心理状態は外へ出たくてたまらない。 抑圧された心理感情を押し込めようとすればするほど、 手や腕のしぐさとなって露になる。 これは本来なら顔の表情や行動として 表に出るはずの心理エネルギーが 手足の運動動作に代替行動として転移するためである。 人は嬉しくなったり、好きな相手の前だと 顔をほころばせ笑顔になったりニヤけたりする。 そしてそれに伴って手、足、腕、腰、などのしぐさでも バイザイや、喜びや好意のサインを体全体で表現しようとする。 また、嫌いな人を前にしたり緊張、不安になると、顔の表情は つっぱったしかめっ面になったり、 その心理を隠すように腕を組んだり、軽い貧乏ゆすりのしぐさをしてしまうこともある。 手や腕、足のしぐさは心や感情を表すための重要な補助手段になっている。 だからこそ、ここが理解できれば相手の好意や嫌悪の心理が読めるのである。 男と女の恋愛関係においても、この心理原則は当てはまる。
対人心理学、行動心理学では、
腕組みは基本的には拒絶のサインであり、
これは心臓や自分の心を守っているという解釈が成り立つ、
これは拒絶や拒否の心情を表すと考えてよい。
腕組は心を開いていないポーズであり、好意を持っている異性と対峙した場合
このようなしぐさや態度はとりにくいものである。
恋人同士の場合は胸を開き、拒絶どころか、相手を胸の中に抱きいれて
愛情を深め合う。
もう一つの腕組の意味合いは、
自分に触れ、自分をいとおしむ、ナルシズム、ナルシストの心理である。
自分の好きな趣味や嗜好に生きがいを見出し、対自関係に重点を置く
生き方である。自分を好きで愛して大切にしようとするという心理を表している。
そしてもう一つ拒絶のサインがある。
それは片手や両手の掌を相手の方へ向けることだ、
例えばアパートで一人暮らしをしている独身女性の部屋に
しつこいセールスマンの男性が訪れたとする。
その場合頑なに断りながらも
掌を相手に向ける、よくあるしぐさや態度の「しっし」あっち行け
といった感じのものもこれと同様の意味を持っている。
掌を向けられた男や女は強硬な拒絶のサインだと覚えておこう。
女性に多いしぐさや態度には
「私」といいながら自分の胸を指す動作がある。
これは自分に自信がなく、存在感が欠落しているためで、
いちいち自分を指して、存在を確かめているとも受け取れる。
男っぽい女性より、女っぽい女性に多く、一種の自己愛でナルシズムであると考えられる。
また良く拳をゴンゴン打ったり、指の骨をポキポキ鳴らせるものがある。
これは体力に自信があるタイプに多く、相手を威嚇する動作である。
このような相手はストレートにぶつかると危険なので
理詰めで望んだほうが良い。
人の心理や思考の状況は必ず手や体に表れる。
何か考え事している時は、頭をかきむしったり、頬杖を付いたり、
新しいアイディアが出たとなったらそのしぐさや態度が終了する。
男と女の恋愛関係でも同様で、
好きな人にはボディタッチや接触したいと感じて身を乗り出したり、
手や指がいかにも上機嫌かのような滑らかな動きをする。
嫌いな人を前にすれば拒絶のサインで自分をガードする。
大まかに分ければこれだけである。
他のしぐさや態度、会話や表情、お互いの距離など
様々な要因から判断すればもっと正確にお互いの心理や関係が読み取れるだろう。