若い男性は女性に好かれたいためモテたいのか、あるいは自分大好き人間なのか、自分をかっこよく見せたがる傾向がある。 人は誰でも格好よくイケメンでありたいと思うものだが、 多感で人からの評価を気にしやすい自意識過剰な時期の若者はとくにそうだろう。 髪型や服装などのファッションに気を配るだけではなく、 言葉づかいもその時代時代で最も「ハクイ」「渋い」「ナウい」ような 今風のしゃれた感じのものに変化していく。 初対面の人と会話をする時、相手が後輩や子供でもない限り普通は 丁寧な口調で話す。こんな時、自分をより魅力的に見せようと、 かっこつけたキザな言葉を使うと、相手は心理的にどのような印象を抱くのだろうか。
心理学者クレイングの実験で、初対面における キザな言葉づかいの心理的効果を調査したことがある。 まず女性に一本の映像を見せる。そこには、男性が 見知らぬ女性に声をかけて、会話する場面が映っている。 そこで男性は三通りのパターンの言葉づかいで、女性に話しかける。 かっこいいけれど軽々しい軟派なひと言、ごくありきたりで平凡なひと言、 最後に、かっこよくないけれど、飾り気がない純朴なひと言な三ケース。 実験が終わり、女性に「ビデオを見て、どのような話し方が一番印象的で記憶に残りましたか」 と好意の度合いを聞いた。すると女性は飾らずストレートな言葉で話しかけた 場合が、最も男性が魅力的に見えると答えた。逆に、キザで一見カッコイイ言葉へ話していたときは、 彼に対して否定的なイメージを持ったそうである。 この実験の結果は、男性が女性に対して、過度にカッコつける行為は禁物であると教えてくれる。 だから、初対面の相手やあまり親密ではない彼女とデートする時もカッコつける必要はない。 むしろ大切なのは、飾らず自分の自然体で、状況をわきまえたしぐさや態度、言動を心がけることである。 それでも、カッコつける男が失敗することが後を絶たないのは、若いころは、 カッコイイ自分に自分が魅力されているという心理傾向が強いからだろう。 女性は余裕があって包容力がある大人の男性が好きである。 アピールしなければかっこつけることができないのはまだ二流。 本当に格好いい人は仕事や自分のやるべき事をキチンとやり、体中から 滲み出るような独特のオーラや自信のようなものがある。 取り繕った格好よさは社会にも恋愛相手の女性にも通用しないのだ。