人と人との出会いはほとんど第一印象で決まってしまうところがある。
実際にはその人の性格が一瞬でわかるかどうかというと判断は非常に難しいところだが、
しかしある程度はやはり育ちや特徴はつかめるものだと思われる。
例えば就職活動の面接では、ドアをノックしてから「失礼しまーす」の声だけで既に
明るいのか暗いのか、真面目っぽいのか内気なのか活発なのかなどの印象が心理の中に形作られる。
そしてドアを開けて入ってきたときの顔の表情や姿勢、体型、歩き方などで
ハキハキと積極的に行動しそうなのか、生活習慣がだらけていそうかなどのイメージが作られる。
実は面接というのはこのドアから入ってきて席に座るまでの間でほとんど決まっているといっても過言ではない。
他の要素はいかに面接官と馬が合うかという話だけである。
結局一緒に仕事をしたい人を採用するのだから、好みが分かれるのは仕方がない部分がある。
これは恋愛でも同様であり、出会って初めの発声の大きさや張り、どれくらい近くに踏み込んでくるか
目を見つめてくれるかなど、他にもさまざまな情報を瞬時にキャッチしてそれをもとに第一印象ができる。
ここからが、心理学の話なのだが、第一印象というのは持続性があり、その後の付き合いにおいても
初めに形成された印象は変化しずらい。これを「初頭効果」という。
初めに「なんとなく嫌だなぁ」と思われたらそのイメージを長期的に引きずられることになる。
人間の「思い込み」というのは非常に強力な力を持っていて、
一度思い込まれたらなかなかそれを曲げることはできない。
最近テレビで流行「アハ体験」の少しずつ映像が変化していくクイズなども
その思い込みのせいで正解を出すのが難しいのである。
現在はメル友やSNSのネット友達などとメールでやり取りしてオフ会を開いたりすることもある。
そこでの合コンや飲み会で彼氏や彼女、恋人同士のカップルが誕生することも多くなってきた。
初対面の印象づくりについて、自分なりに考えてみて、問題点があれば改善していくと良いだろう。
そうしないと最初のデートが最後のデート、などという事態にもなりかねない。
特に恋愛経験が少ない人程、デート前に作戦やプランなどを練っておく必要があるだろう。
男も女もモテる人の共通点として挙げられるのは、明るく爽やかでフレンドリーなところである。
また、人は自分に好意的に接してくれる人をこちらも好きになろうとする「好意の返報性」の心理が働くようにできている。
そして最も大切なのが、リラックスして一緒に過ごせるかどうかである。
いくら面白くてもリラックスできる関係でなければ長続きする関係にはなかなかなれない。
以下では第一印象をよくするポイントを挙げていく。
・相手の事を好きになる
物事というのはプラス思考をしている人や楽天的な思考の人の味方になるようにできていて、
ネガティブな事を考えていると本当に不運なる。
これは人間関係でも同じである。人は好きな人の事を見る時、
目の黒目の部分、瞳孔が拡大する。黒目が大きくなっているのは相手に興味や関心を持っているという証であり、
人はこれを無意識のうちに読み取っている。相手の目が潤んで瞳孔が広がっていると、無意識のうちに
その目を見て、自分も相手の事が気になるようになってくる。
もし相手の事が嫌いな場合、表情も硬く瞳も相手に興味が無い濁った感じになる。
相手の事が好きだと思うと、自然としぐさや態度も相手に好意的なものが増えてくる。
自然と距離を縮めていたり、いつの間にかボディタッチをしているかもしれない。
これらは相手を好きだからこそできることである。
・緊張しないでリラックスする
自然体で人に接するのは、恋愛経験を重ねるにつれてできるようになってくる。
若い頃は人前で話すことが恥ずかしかったりするが、大人になって慣れてしまえばどうということはない。
人は相手の気持ちを瞬時に感じる能力を備えている。
こちらが緊張して肩肘を張っていれば、相手にもその緊張の心理が伝わり、打ち解けにくいぎこちない雰囲気が出来上がってしまう。
それよりも隙だらけかのように余裕に振る舞えれば、相手もその姿を見て和やかな空気になる。
男も女も天然系の人や癒し系の人は異性から好かれやすい。それは一緒にいて楽だから
である。性格を変えるのは難しいかもしれないが、リラックスして飾らない素の自分を出すのが
最も成功する近道である。
・服装を無難な物にする
外見のイメージの大部分は服装で決定されるとも言われている。
心理学の実験では、ホームレス風の姿の人が電話ボックスの前で電話代をくださいと言っても
そのまま通り過ぎてしまう人が多かったが、スーツ姿の会社員風の男性が
同じようにお金を要求したら、すんなりオーケーしてくれるという。
オシャレやファッションセンスは初デートや初対面で重要な位置付けにある。
外見が奇抜すぎたりボロボロだと、そのイメージが脳内にこびりついてしまう。
ヨレヨレのシャツを着ていれば、「この人は不潔ね」という第一印象が出来上がってしまうのである。
特殊すぎる服装の場合は趣味が合う似たタイプの男女なら大丈夫だが大抵は「気合い入れすぎでついていけない」と思われたりもする。
クツがボロボロであっても「クツが汚い」というマイナスイメージができてしまう。
当然ヒゲが生えていたり髪がボサボサでも同じような負の評価が下され減点対象になる。
一度そのような印象を抱かれると冒頭紹介した心理学の「初頭効果」が作用して
次にどのような良い特徴や趣味などを話しても、初めのマイナスイメージが足を引っ張ってしまう。
だから、服装はカジュアルで万人受けする無難なものが最も良い。「人間は中身だ」と言っても
外見が正しく整っていなければ内面を判定する以前に失格にされてしまうのである。
第一印象については以上の3ポイントに気を付ければ大抵の場合はうまくいく。
中でも難しいのが、リラックスして相手とコミュニケーションができるという点である。
こればかりは、いろいろな男女と会話をしたり会ったりして、人間的な
経験を積みレベルを上げていくしかない。しかし、一度ものにしてしまえば
誰からも好かれる人になっていることは間違いないだろう。
第一印象は人の思い込みを作る重要なもの、常に本番のつもりで臨むようにしよう。