人が誰かを好きになる理由を心理的に分析すると、 その人の事を考える時間が長いという理由が挙げられる。 これは恋愛心理学用語では「自我関与」と呼ばれるもので、 自分がどの程度好意を持っている対象に感情や行動で関わっているかを示すものである。 片思いの状態は、まさに自我関与の割合のほとんどがそのターゲットへと向いている状態である。 常に好きな人の事を考えたり、デートや会話の妄想をしたりしている。 そして、自分の心の中でどんどん好きな気持ちが盛り上がってくる。 そしていつしか勇気を振り絞って行動を起こすわけである。 この時、一部の人は積極的にガンガン押せ押せでアプローチをし始める。 しかし、急にアタックされると、物おじして反射的に一歩引いてしまうのが人間というもの。 特に男性から女性へいきなり声をかけたりすると、大抵は拒否されてしまう。 大部分の男心はそこで女心をつかむのを諦めて次の恋愛対象や出会いを探そうと考えるが、 実は恋愛というのは長期戦でも成就して成功しやすいようにできている。
繁華街を歩いていると、道端にナンパ師などが待機していて
通りすがりの女性を選別しながら次々に声をかけているのを見かける。
彼等がなぜあのような行動をするのかというと、中にはデートや遊びの誘いに
応じてくれる女性が世の中にはいるからである。確かに可能性としては50人に1人
ぐらいの割合かもしれないが、チャレンジしていけば捕まえられる可能性は非常に高い。
仕事で言えば外回り営業に近いもので、仕事もナンパもさして変わりはないのである。
機嫌が高揚している女性や、失恋したばかりで寂しいと感じている女性はコロッと騙されてしまうかもしれない。
そして、その手口の中には、メールアドレスや電話番号などの交換して
後から連絡してもらうというものもある。
これは女性としては「今は忙しいから後で」「面倒くさいからとりあえず愛想笑いして立ち去ろう」
という二つの願望を満たす効率の良い作戦である。
そして、ここで恋愛心理的な作用が出てくる。
ナンパされた時に「君は理想タイプだ」「愛してる」
などという言葉を囁かれると、言われた瞬間は「軽い男ね」といったしぐさや態度であしらう気持ちになるが、
家に帰って布団に入りながら考えていると、「あの時の言葉は本気だったのかも」「もったいないことしたかな」
という気持ちになってくる。その気持ちが高まると思わずメールや電話をしてしまうことがある。
これはナンパでなくても友達関係から恋人へと発展させる時にも有効である。
さりげなく、「超タイプです。僕の理想だ。好き」などと言っておくと、
その言葉が時間が経つにつれて頭の中で何度も再生され、そのたびに自我関与が増していく。
そのような言葉やメールをかけた後、しばらく放っておく。
そして、しばらくしてからまたデートに誘ってみると、案外誘いに応じてくれたりする。
もし愛の告白に失敗して断られたとしても、時間が経った後
もう一回アタックすると案外成功する確率は高いのである。
お互いが会っていない時間に愛情を育てるのだ。
モテる男女は交際に対して余裕があるため、自然とこの催眠効果のテクニックを使っている事がある。
メールや電話の頻度も適度に間隔があき、お互い疲れない距離感を維持できるのである。
あまりにがっつきすぎると失敗することもあるのが恋愛、時には長期戦で攻めてみるのも効果的と思われる。