「優しくて誠実な人がいい」というのは、彼氏、あるいは結婚相手の条件として 女性がよく女性雑誌や街頭アンケートなどに答えている。 よく世の真面目な男性が嫉妬混じりに言うことがある。 「僕は性格も優しいし頭もよくて優しいのに、どうして 僕の好きな人はあんな不良で不真面目、チャラそうな軽い男が付き合ってるんだ」という悩みの声である。 これは世の大半の男性の男心が疑問に思い嘆いているものだろう。 男心と女心が惹かれあい恋に落ちるのは、優秀な遺伝子を後世に残していくためだ。 優秀な能力の中には大きくて強いという能力は必ず含まれる。 弱さは一種の悪とも呼ばれることもある。だから、女性は、頑丈で強く、健康な 遺伝子を持っていそうな、力強い男を本能的に求める。 しかし「優しい」と「強い」とは矛盾するような概念である。 ここに女心の機微が隠されている。
男性はいつまでも別れた彼女に未練タラタラで別れた後もメールや電話で連絡を入れる事が多いが、 女性は彼氏の事を案外すぐに忘れて新しいボーイフレンドをすぐに見つける。 過去からきっぱりと決別してすぐ新しい出会いを探せるのが女心である。 むしろ男性より結婚と恋愛を区別しているようにも思える。 遺伝子のサバイバルという側面から考えた場合、 「優しい」という特性を持った男は真っ先に戦いや競争に敗北して 足蹴にされてしまう可能性が高い。だから女は「優しい」だけの男を 選ばないのだと解釈できる。周囲を見回してみても、 やはり、優しいという特徴やナヨナヨしたもやしのようなしぐさや態度だけでは、なかなか女性を獲得できない。 不細工の貧乏な男でも筋肉隆々のスポーツマンや、または権力を持っているオデブ社長のような 食料を調達できそうな強い男は、女性から選ばれやすい。 ただし、若い時の「遊び相手」は別である。結婚する意志もない 純粋な好きという恋愛感情だけの相手ならば、優しい男の場合、 チヤホヤして甘やかしてくれるし、プレゼントも貢いでくれるし車で 送り迎えをしてくれるような男は大歓迎である。 しかし、結婚するとなると、優しい男という性格だけでは刺激不足で女心の心理的にも物足りないし、 「強さ」という本能的な基準の適正からみても、オスとして役不足なのだ。 また、男に厳しく教え込まれたり、叱られたり矯正されること自体が その男の評価を高めて好意を持つという働きもある。 男にものを教わったり厳しい態度をとられた女は、それを理由に男のことを嫌いに なったりはしない。むしろ「私のことを本気で思って叱ってくれている」 また既に彼氏彼女の恋人関係であれば、 「私がこんなに辛い思いをして手に入れたのだからいい人に違いない」と 認知的不協和の心理が作用し、行動と感情の辻褄を合わせようと無意識の心理が自動的にに気持ちを調整する。 「こんなに素敵な彼氏が私のものになったのだから、これまでの体験や行動は正しかった」 と脳の中で解釈して思考する。自分の選択を 間違ったものだと思いたくない心理が、かえって男を好意的に評価しようと 正当化する。 そして「優しいだけの男なんて恋愛の相手としては駄目ね」 とまで言ってのけるのである。 適度に口論でもした方がかえって二人の仲が親密になるということは、 往々にしてあるということだろう。逆にお互いを敬い過ぎるような 関係は、初めは熱々かもしれないが、熱が冷めるのも早い可能性がある。 これも認知的不協和により 「簡単に手に入った恋人だし、世話もかからない都合のいい男だから、別に捨ててしまってもいいわ」 と女心は考えるのだ。